2013年7月29日月曜日

簾戸

昨日28日は「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」です。
湿度が高くなって蒸し暑く、土も湿る季節、ということですが、
神田の家の庭は毎朝カラカラに乾いております。



さて、神田の家では6月に入ってから、
建具は障子から簾戸に入れ替えられ、
広間には御簾、床の間には瀑布(滝)のお軸に玉の置物と、
目にも涼しげな初夏の室礼になっていました。

 
 
 


 
 
 
簾戸は夏障子、御簾戸(竹ヒゴ使用)、葦戸、葭障子(共にヨシ・アシ使用)とも呼ばれる、
簾をはめ込んだ建具の事を言います。
 
 
 
衣替えの時期と同様、6月に障子・襖の代わりに簾戸に替え、
暮らし向きを夏向きに整えています。
夏の強い日差しを遮り、
室内は涼しく隙間から入る風がゆるやかに吹き抜け
目にもすがすがしい風情が一層涼しさを感じさせる、
美しい日本の習慣の一つです。




「山も庭もうごき入るるや夏座敷」(芭蕉)

「夏座敷」という言葉をご存知でしょうか。
夏を迎える時に風通しを良くし、
調度類も涼しげに整えた座敷の事です。




 
神田の家には簾戸の他、御簾・障子部分が倹飩(けんどん)になっていて、
入れ替える建具があります。
写真左手の建具もそう。
中央部分を入れ替える事が出来ます。
 
「倹飩(けんどん)」というのは、建築用語で上下の動きで蓋・戸を嵌め込む事。
それと対に「いってこい」は左右の動きで蓋・戸を嵌め込む事をいいます。
 
 
 
 
 
ちなみに前述したヨシとアシですが、その違いは以下の通り。
 
 
ヨシ・・・中が空洞。
     「葦の髄から天井を覗く」 江戸いろはがるた
 
アシ・・・中が詰まっている。そのため虫がつきアシ(悪し)という。
 
 
 
 
 

この夏、8月9月はメンテナンスのため、
内覧をお休みさせて頂きます。