2012年2月29日水曜日

浅草金龍山 の巻

凍えそーな季節ーにきーみは
愛ーをどーこーおゆーのー
ましてなんもー持たーずにあるーくー僕だーからー

傘くらい持った方がいいと思うんですがね。
はい、お久しぶりです。江戸紫です。

雪です。雪でございます。由紀さおりではございません。

そういえば広重の「名所江戸百景」の中にも
雪が降っている作品が沢山ありましたね!


こちらは「浅草金龍山」。
浅草の雷門から山門と五重塔を眺めた様子。

雷門にぶら下がっている提灯には
「志ん橋(=新橋)」と書いてあります。
新橋の屋根職人から寄進されたため、
浅草ですが新橋と書いてあるのです。

現在は「雷門」と書かれた提灯がかかっています。

なぜでしょう。


実は、「志ん橋」の提灯は火事で雷門ごと消失してしまい、
昭和35年に復元された時に「雷門」の提灯が寄進されたという背景があるそうです。





よくよく見ると、
雪が降っているのがお分かり頂けると思います。
この雪、ひとつひとつボコボコ浮き出て見えるんですよ。
ブログの画像だと分かりにくいですね。

「空摺(からずり)」という型押しの技法で、
深く窪んだ彫板に紙の裏からバレンで強く押し込むと、
紙に凸凹をつけることができます。




木版画にはこういった面白い技法が沢山あるのですが、
印刷物や額装された状態だと分かりにくいのがとっても残念ですね^^;;

神田の家で毎年6月に行っている復刻版名所江戸百景展では額装なしで展示されますので
このでこぼこがおもしろいくらいによくわかります。
季節になったらお知らせしますのでぜひいらして下さい!

2012年2月28日火曜日

ちいさな春

こんにちは、おせんです。

もう2月も終わりだというのに寒い寒い。
こんな時は春でも探そうと「神田の家」の周辺にでかけました。

ありました!神田明神さんに梅の花が咲いてます。



う~~ん、他に春は、、、、うん?
不思議な花が「神田の家」の前に咲いてます。これは何の花?




木の枝に赤い額、ひょろ長い短冊上の黄色の花びらが四枚。
かなり不思議です。
まるで毛糸で作った花のようです
調べてみると「万作(まんさく)」という植物だそうです。
花言葉は「ひらめき、不思議な力、魔力、神秘、直観」

どの言葉もこの花の不思議な魅力を表してますね。



早春に咲く,春を告げる花です。

2012年2月27日月曜日

江戸の流し雛

昨日は東京マラソン、寒空の中大勢のランナーが東京の街中を駆け巡り、今年もまたそれぞれにドラマがありました。

私の知人もここ数年続けて参加し、見事に完走しています。 決して若くはないけれど、(因みに私より年上!)タイムを更新しながら毎年走り続けるなんて尊敬しちゃいます。 しかも女性です。

長距離が苦手な私はマラソンなんて絶対好んでやらないスポーツの1位なのに・・・

さて、それと同時に昨日は隅田川で「江戸流し雛」がありました。

流し雛は約1000年前の平安時代に始まった子供たちの無病息災を願う伝統行事。

今年は東京スカイツリーを映し出す隅田川に船出しそれぞれの願いを託してお雛様が流れて行く光景をテレビで見ました。

実は船も苦手な私は【海は大好き】それにも参加出来ないのでしょうか・・。

神田の家も3月3日は公開しますので、私は雛段の前で白酒を飲みながら皆様をお待ちしております。      久々のなでしこでした。



2012年2月24日金曜日

鍵守り @東京大神宮

千代田区観光協会さんのひなまつりページ
東京大神宮の「雛まつりの祓」の儀が26日に斎行されるとの記事がありましたが。。。

先日、友人と東京大神宮に参詣してきました!
東京のお伊勢さんとして知られるこのお宮。
造化の三神(天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神のこと)が祀られていることから
縁結びの神のご利益が受けられる、というわけで。
江戸紫が行った当日も授与所周辺は若いおなごで溢れておりました。

可愛らしい形代。デザインが素敵。

形代というと6月と12月の大祓を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
農耕儀礼の祓として、田植えの始まりの時期(3月初旬)に新しい神様を田んぼに迎えるために
形代で身体をなでて川へ流し、身の穢れを洗い流す習慣がありました。
その後、人口の増加などで川に形代を流すのが難しくなり、
また技術の進歩で形代も精巧な人形が作られるようになって
今のお雛様の形式になった、との事なんですね。


ソースは不明ですが、
縁結びを願う人は、家族や友人など他人に東京大神宮にお参りしてもらといいと聞いたので、
江戸紫と友人はお互いの幸せを願ってお参りし、受けたお守りを後で交換しました^^

恋愛成就幸せ鍵守り。 ちなみに鍵ではなくて右上のお札みたいな部分がお守りなんだそうです。

これで白鳥さんに出会える!と期待したも束の間、
よく考えたら恋愛成就お守りって、もう出会ってる相手との恋愛が云々って話ですよね。

白鳥さん。

まだ出会ってないじゃん。






しまった。

2012年2月22日水曜日

【雛道具】 「ひいなぼん」ってなに?

はいどうも江戸紫です。
今回も、神田の家に展示中の雛道具からおひとつ紹介いたしましょう!


ご覧の通り、本です。
いわゆる豆本とか雛本と呼ばれている、小さな書物ですね。
右側から「源氏物語大意目録」、「幻 匂みや」、「夕きり 御法」と
表紙に書いてあります。


そうです。源氏物語は嫁入り道具だったんですね。

「嫁ぎ先の旦那が浮気しても気にすんな、そういうもんだから。」
って言われてるような気がするのは江戸紫だけでしょうか。









では早速、「源氏物語大意目録」から中身をのぞいてみましょう!




源氏物語はプレイボーイのヒカル君が主人公の恋愛アドベンチャーだよ、と書いてあります。




末摘花と言えば昔、
ウリナリのコントでウド鈴木さんが演じていたのが思い出されます。




この雛本には、
38帖夕霧、39帖御法のあらすじが書かれています。

源氏物語は読んでおかないと教養がないと思われていた時代。
ただまあ、全部読むのは時間がかかりますからね。
とりあえずあらすじだけでも知っておこうという庶民の知恵ですね。
江戸紫も漫画版でしか読んでません。




巻頭に挿絵が入っています。




ヒカル君の長男、あまりモテない夕霧君のお話。




この「御法」でヒカル君最愛の紫の上が死んでしまうんですよね。




40帖幻、42帖匂宮。
「幻」の話は非常に切ない…!




紫の上を忘れられないヒカル君。




紫の上からの手紙を全て破って燃やすシーンは
中学生の時に読んで号泣しました。


「大空をかよふまぼろし夢にだに見えこぬ魂の行く方たづねよ」


というわけで、神田の家では3月いっぱいまで
雛飾りを展示しております。
8の付く内覧日にどうぞお越しください^^
http://kandanoie.com/about.html

2012年2月21日火曜日

白酒なれば?


どうも江戸紫です。
先日、豊島屋さんに行って白酒をゲットしてきました!
1階土間の七段飾りの所に飾ってあります。



『江戸名所図会』に描かれている豊島屋さんの図。
白酒を買うと箱の中に入っています。

豊島屋さんは江戸時代に鎌倉河岸(!)で創業され、
「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」と謳われたほど一世を風靡。
ひなまつりの頃は白酒を求めて人が殺到したそうです。

アルコール度数7℃と案外高く、
現代社会のストレスに日々悶々としていた江戸紫は
さっそく一本開けてくいっと行きたい所だったのですが、
「勤務中だぞ」という天使の囁きが聞こえ止む無く断念。。。
3月2日の宵節句まで我慢します。



現在は、猿楽町にお店が移っています。
白酒はこの時期限定なんですね。



カネジュウのトレードマークと共に、
お雛様が飾ってありました!


話は戻りますが、
豊島屋さんの創業地である鎌倉河岸といえば、
神田の家の材木商遠藤家が江戸時代からずっと材木商を営んできた地でもあります。
材木商井政と豊島屋さんの当時の位置関係が気になる!
というわけで、調べてみました。



上の図は、明和江戸図(1771年)。
右上の〇が「遠藤」、つまり材木商井政の場所でございます。
そして豊島屋さんが所在していたのが内神田2-2-1だそうなので(Wikipediaより)、
右下の〇の「カマクラテウ」と書いてある場所にあったと考えられます。近い!!
(関係者の方、もし間違っておりましたらご指摘ください…!)


江戸当時の井政従業員もきっと豊島屋さんの白酒をぐいっとやっていたのでしょう!

2012年2月18日土曜日

ひねり松


こんにちは、おせんです。
昨日もまた雪が降り寒いですね。

神田の家の庭に松の木がきました。
くるくると幹がまわっている不思議な松です。

今は横まきですが、成長するうちに縦ひねりになって
名勝江戸百景の「上野山内月の松」のようになるのではないかと期待しています。

円のなかに小鳥が見えたらいいな。
あと、何十年もかかりそうな気の長いお話です。

2012年2月17日金曜日

今日までそして明日から

江戸紫です。

私事で大変恐縮ですが
本日、誕生日を迎えました。
四捨五入してもまだ二十歳です。若いぞ!自分!


本日が誕生日の有名人と言えば、
誰もが一度は憧れる国際恋愛の先駆け森鴎外大先生や、
誰もが一度は憧れる丸善檸檬置き逃げ事件でおなじみ梶井基次郎大先生
そして誰もが一度は憧れる高身長高収入マイケル・ジョーダン大先生など。

ううむ、大物ばかりですね。


ふと、江戸時代に誕生日を祝う風習ってあったんだろうかと思い調べてみたところ、
生まれてからちょうど1年が経った日に「初誕生」という儀式があったみたいです。
一生食べ物に困らないように、
一升餅を背負わせて赤ちゃんが転ぶ様子を見て大人たちは笑い転げて喜んでいたみたいですね。
悪趣味!反対!ダメ、絶対!

ただまあ、昔は1歳まで生きるってのが大変だったわけですから
親は嬉しかったでしょうね。
昔は7歳までは子供は人間ではなく神の子と言い、
7歳未満の子供が死んでしまっても、大人と同じような葬儀はしなかったそうです。
そのかわり、六地蔵のふもとに埋葬していたと聞いたことがあります。
六地蔵というのは、横一列に六人(六体?)のお地蔵さんが並んでいる、よく見るあれです。


ちなみに、『となりのトトロ』で終盤、
メイちゃんがトウモロコシをお母さんに渡そうとして迷子になって
「おねえちゃーーん!」と泣き叫んでいる場所にも六地蔵があります。
そのシーンについては色んな考察がされてますよね。


話は戻りますが、
親戚のおじさんから誕生日祝いに見合い話を2件頂きました!
白鳥さんか!白鳥さんなのか!?!?
と期待に胸ふくらませておりましたが
全然違うお名前でした。。。

お相手には非常に失礼ですが、がっくし。

2012年2月16日木曜日

発狂作業





はい、どうも江戸紫です。
本日、神田の家の2階に
丸平こと大木平蔵作の雛人形を飾り付けした模様をお伝えしようと思います!



ご覧のように非常に小さいです。
ちょっと油断するとドミノになって気分爽快!





一番厄介なのはなんてったってこの懸盤でしょう。
象牙でできた器の何と小さいこと小さいこと…
ピンセットで作業します。



誤って割ったりしないように…



そっ



ううー、発狂しそうだ。。。



出来たっ(T△T)




こちら丸平の雛人形は
内覧日に神田の家をご内覧いただいた方のみ
3月いっぱいご覧いただけます!
1階の7段飾りはご内覧されなくてもご覧いただけますよ!
http://kandanoie.com/

2012年2月15日水曜日

【風邪対策!】久松るす、してますか?

どうも江戸紫です。
最近、風邪やらインフルエンザやら、流行ってるみたいですねー。
江戸紫は予防接種を受けても毎年インフルエンザにかかるという驚異的な免疫力の持ち主なので
最近の流行が恐ろしくてなりません。
ここのところ毎日マスクを着用、
口裂け女状態です。

マスク以外に何か有効な風邪対策はないだろうかと色々調べておりましたところ、
江戸時代に流行った「久松るす」というおまじないを知りました。

半紙に「久松るす」と書いて玄関や軒先に張り付けて、風邪菌が家の中に入ってこないようにする
いわばお札みたいな感じだったらしいです。
googleで画像検索していただくとすぐに出てきます。


これは、お染ちゃんと久松くんの悲恋の物語『お染久松』にちなんだものだそうで
日本版ロミオとジュリエットみたいな感じなんですかね~。見たことないのでわからないのですが。

江戸時代、この物語を題材にした歌舞伎が人気になり、
同じ時期に流行した風邪が「お染風邪」なんて呼ばれたそうです。
なので、このお札の意味としては
「久松君は今お留守だから、お染ちゃんは来ても無駄よ^^」という感じで
風邪菌は来ないでね、っていう意味になるんですね。




というわけで早速、神田の家にも「久松るす」のお札を貼ってみました!



これでマスクから卒業だ!

2012年2月13日月曜日

【雛道具】 「大名火鉢」ってなに?

どうも江戸紫です。
先週の木曜あたりから「勝手に江戸紫ブログ週間」と題しまして
連日のようにブログをアップしております。
はい。
というわけで本日も、神田の家に展示中の雛道具をご紹介!!

今日はこちら!



お分かりの方も多いかと思いますが、ご存じない方にクイズ^^
これは何に使った道具でしょうか?

A:洗面器
B:花瓶
C:おまる





正解は…




火鉢でした。というか題名に書いてありますからね^^;;

火鉢っていうと多くの方が持つイメージってもっと丸い感じだと思うんですよね。
江戸紫も巫女時代、笙の演奏があるときに
火鉢を準備する裏方作業をよくしていたもんですが、
その時に使っていたのも普通の陶器の火鉢でした。




笙は温めないと音程が狂ったり音が出なくなったりするので、火鉢を用意するんです。
今は電気コンロがありますけど、古き良き伝統を守る、それが神社だ! ってことなんでしょうね、たぶん。

ただまあ、底に穴が開いた片手鍋みたいなのに炭を入れてコンロにかけて炭を燃やすんですけど、
ばちばちばちばち火花が散って危ないんですよね。
江戸紫の先輩は火花で巫女装束が黒焦げたりが開いたりしていました。
買い替えも自費だしなあ。。。

ぜひ巫女業務改善を!巫女に未来を!輝く明日を!(辞めちゃったけど!!)


話を戻します。
普通の火鉢と違って大名火鉢はある程度地位や名声を持った人の為に作られたようで、
大名やお公家さんが持っていたらしいんですが、
実は(雛道具もそうですが本物も)神田の家にあります


先代、遠藤達藏氏と大名火鉢のお写真。


現在も神田の家2階に大名火鉢を展示中。ご内覧の方はご覧いただけます^^
内覧のご予約詳細はこちら⇒http://kandanoie.com/index.html

もちろんお雛様も展示中!!⇒ http://kandanoie.com/about.html
(リンク先の写真をクリックすると、フォトギャラリーをご覧いただけます☆)

2012年2月10日金曜日

【道順2】 秋葉原駅~神田の家

今回はJR秋葉原駅から神田の家までの道のりをご紹介します!


JR秋葉原駅、電気街口を出て、すぐ右に曲がります。



AKBショップとガンダムカフェがあるので、道に沿ってそのまま進みましょう。



交差点に出たら、UDXの方に二つ横断歩道を渡りましょう!
渡ったら画面奥側に直進です。



中央通りとの交差点。横断歩道を渡りましょう。



右手に「神田明神もうすぐ」の看板が!
直進を続けましょう。



神田明神下交差点。このあと道が少し右手に折れますが、気にせず直進。


もうすぐですよー!直進!!


きたー!神田明神の鳥居です。くぐりましょう!


随神門をくぐらずに左向け左。


空中庭園の階段!上りましょう。


上った!直進!


階段を下りると


神田の家に到着です。
お疲れ様でした^^